ヒンジ選びに役立つシュミレーションツール
ベンチボックスの出来栄えを左右する一番のポイントは丁番(ヒンジ)の動きで、使い勝手はヒンジの選び方次第といっても過言ではありません
とは言えヒンジには種類が多く、どれを選べば良いか迷ってしまいます
そんな時、役立つのがヒンジのシュミレーションツールです
今回はシュミレーションツールの使い方から、ヒンジを選定する場合の注意点を私の体験談を元にお話ししたいと思います
ベンチボックスに適したヒンジは?
ヒンジのタイプは大きく分けて3種類ありますが、その中で私がおススメするのが「ソフトクローズタイプ」と「トルクヒンジタイプ」の2種類です
おススメのヒンジの特徴を簡単に記載します
- ソフトクローズタイプ(締まる方向のみ力が加わるヒンジ)
- トルクヒンジタイプ(任意の位置で止めることが出来るヒンジ)
後述するトルクヒンジと比べ高価にはなりますが、開ける時は軽く 閉まる時はゆっくり閉まる為、安全で楽に開閉出来るのが特徴です
天板(蓋)を開ける時 ヒンジの保持力分 力が必要になりますが、ソフトクローズタイプより安く 好きな位置で止まるのが特徴です
ヒンジの特徴を理解したら、次はシュミレーションツールを使ってヒンジを選定していきます
シュミレーションツールの使い方
私がおススメするシュミレーションツールはスガツネ工業の「選定ツール さスガくん」です
「選定ツール さスガくん」はスガツネ工業株式会社のホームページをクリックし、ページ一番下の製品情報欄にある「家具金物・建築金物」直下の「選定ツール一覧」をクリックします
ページ中ほどにある「選定ツール さスガくん」の「選定する」をクリックすると「選定ツール さスガくん」のページにたどり着きます
「まずはお探しの動き(モーション)を選択し、ツールをお選びください。」というところで「動き」をクリックすれば、シュミレーションの開始です
ソフトクローズタイプの選び方
- 「ゆっくりうごくソフトモーション」をクリック
- 「ダンパーヒンジ・ダンパーステー」をクリック
- 「STEP1」の条件入力で条件を入力する
- ⒈蓋・扉の開き方の選択
- ⒉蓋・扉の条件入力
- 3.形状・使用数量の選択
上蓋をクリック
「算出条件を選択」で「蓋・扉の寸法・質量から(簡易選定)」を選び、「扉奥行」と「扉質量」を入力
私の場合、「扉奥行」は305mm、「扉質量」は3.7kgと入力しました(これらの数値は蓋を作成後、実際に測定した値です)
「形状を選択(複数選択可)」で蝶番型ヒンジにチェックを入れ、「STEP2へ」をクリック
すると「STEP2」の製品の選択に表示されたヒンジにHG-JHW16S-34がありました(末番に「G」が付くと閉じる方向が逆になるので注意してください)
設計段階からソフトモーションの場合はHG-JHW16Sタイプにする予定だったので「HG-JHW16S-34」を候補に挙げました
製品の特長はこちらをご覧ください
トルクヒンジタイプの選び方
- 「任意の位置で止まるフリーストップ」をクリック
- 「トルクヒンジ」をクリック
- ソフトクローズタイプと同様に「STEP1」の条件を入力
- 条件入力後「STEP2へ」をクリック
形状・使用数量の選択の「形状を選択」のみ異なり、「平丁番型」を選択します
すると「STEP2」の製品の選択に表示されたヒンジにHG-ITS35がありました
設計段階からトルクヒンジタイプはHG-ITSタイプもしくはHG-TPタイプにする予定だったので「HG-ITS35」を候補に挙げました
私が選んだヒンジは?
私は安価な「HG-ITS35」を選び購入しました
ところが実際取付けてみると、開ける時天板がとても重く感じたのでした
これはシュミレーション結果の判定のみで判断した私のミスでした
開き角度0度でも天板を止めて維持する必要性なんか、ありませんよね!
そこで「HG-ITS35」よりトルクの低い「HG-ITS25」を再度「選定ツール さスガくん」でシュミレーションしました
これが「HG-ITS25」のシュミレーション結果です
シュミレーションの結果、トルクヒンジの精度下限(5N・mの-20%)の場合、開き角度45度で閉じ始め、トルクヒンジの精度中心値(5N・m)の場合は開き角度25度で閉じ始めることがわかりました
通常90度近くまで天板を開けるのでシュミレーション結果に問題はないと判断し、HG-ITS25を買い直しました
こちらがベンチボックスにHG-ITS25を取付けた時の実際の動きです
開き角度約30度で閉じ始めまているのが分かると思います
私の場合 この動きは使用上全く問題なく、天板を開ける時もHG-ITS35より軽くなり、買い直して良かったと感じました
まとめ
ソフトクローズタイプは「選定ツール さスガくん」の結果通りの選定でOKで、選定に迷う場合はコチラのタイプをおススメします(私の場合一度あけたネジ穴の関係上、こちらは選べませんでした)
そしてトルクヒンジタイプに関しては「選定ツール さスガくん」の結果通りのヒンジを選ぶと天板(フタ)が開けにくくなる場合があるので注意が必要です
もしトルクヒンジを選ぶ場合は 結果よりトルクの低い品番でもシュミレーションを行い、「蓋・扉のモーメント 必要トルク」のグラフより、開き角度のトルクとヒンジトルクの関係を確認してから購入することをおススメします
★「失敗は成功のもと」といいますが、失敗はなるべく避けたいですね!★
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