掛け時計のムーブメント交換は難しくない
「お気に入りの掛け時計が動かなくなった」、「掛け時計の修理代金が購入金額より高くなるが、修理すべきだろうか?」と悩んでいませんか?動かなくなった時計のほとんどは、ムーブメント交換で動くようになります
自分で修理する場合の費用は、電波時計用ムーブメントでも3千円以内で収まります
さらに自分で修理した物は今まで以上に愛着がわいてきて、さらに大事にしようと心がけるようになります
ただ修理にはチョットしたコツと下調べが必要なので、私の経験とその時調べた事を2回に分けて詳しくお話しします
本ページにはプロモーションが含まれています
ムーブメントの種類について
交換可能なムーブメントは電池で動くタイプでクォーツムーブメントと電波ムーブメントに分類されます- クォーツムーブメント -
時間の狂いを手動で修正するタイプで、ステップ式とスイープ式がある
- ステップ式:秒針が一秒ずつ止まりながら進む(コチコチ音有)
- スイープ式:秒針が止まらずスムーズに進む(コチコチ音なし)
時間の狂いを自動で修正するタイプで、ステップ式とスイープ式がある
ムーブメントは以上の4種類に分けられます
修理する時計を詳しく調べる方法
- 動いていた頃を思い出して、ムーブメントのタイプを推定して下さい
- どのタイプに交換したいかを考えよう 交換時がチャンスです!
- 時計の裏側を見てメーカー名と枠の有無を確認しよう
- 時計からムーブメントを外そう
- 外した部品等は無くさないように保管しておいて下さい
- 組立てまで時間が空くので、外し方を憶えておいて下さい【写真を撮って残しておくのも一つの方法です】
- 文字盤の厚み、穴径、文字外側までの長さを測ろう
- 外したムーブメントの寸法を測ろう
- ムーブメントの先端タイプを調べよう
- 針の長さを測ろう
寝室などは、静かなスイープ式がおススメです
枠付きの場合、ステップ式⇔スイープ式の交換は可能ですが、クォーツ時計⇔電波時計の交換になると、細工が必要になる可能性があるのでおススメ出来ません
1) 前面カバーを外します
固定方法は多種多様ですが、文字盤に前面カバーを固定している部分が必ずあるので、よく探してみて下さい(私の場合、化粧ネジ4本で固定されていました)
2) 時針、分針、秒針を外す
3)文字盤とムーブメントを固定しているナットを外す
文字盤を傷付けない為に、ボックスレンチの使用をおススメします
ボックスレンチがない場合、布などで文字盤を保護して作業します
注)ナットが付いていないタイプ【組込み式】もあります
4) ムーブメントを外す
枠付きは枠のツメに引掛けてあるので、ツメを割らないように、マイナスドライバーなどで交互に少しずつ引掛けを外していきます
穴径が10ミリ以下だと加工が必要になる場合があります
径寸法は0.5ミリしか変わらないので、ノギスがないと分からないレベルです
調べた情報から適合するムーブメントを選ぶ
- クォーツ:時計部品と工具の専門店
- 電波時計:誠時の時計 セイジクラフトクロック
ムーブメントに関する補足説明
- 交換用クォーツタイプ -たて・よこの長さ:約56ミリ、厚み:約16ミリがほとんどです
注)メーカーにより1、2ミリの違いはあります
- 交換用電波時計 -
たて・よこの長さ:約56ミリタイプも増えてきています
厚み:約20ミリ(振り子付タイプ:35ミリ)
シャフト長はMRC-250:11ミリ、MRC-300:16ミリ、MRC-395:23ミリです
電波時計に関しては「電波時計の修理方法」も合わせてご覧頂くと、より一層理解が深まります
ムーブメントは先端形状とシャフトの長さに重点を置き選びます
しかし、交換用ムーブメントの多くはSKP製です
外したムーブメントにSKPの文字がなくても交換用クォーツタイプは同じサイズなので、よほど特殊なタイプ以外は交換が可能です
(私の場合も壊れたムーブメントにYOUNG TOWN QUARTSと書かれており「リズム」が適応するのですが、欲しい商品がなかったので「SKP」を購入しました)
ムーブメントに適合した針を選ぼう
ムーブメントに適した針への交換を検討して下さい壊れたムーブメントと購入する製品が同じメーカーなら、今の針が使える可能性はあります
しかし今の針が推奨針と比較して重かったり、穴のかみ合わせが緩かったりした場合、時間に遅れが発生しますので注意して下さい
と言っている私も「針はどのムーブメントにも適合する」と思い、最初は針を購入しませんでした
しかし購入したムーブメントは壊れたものより穴径が0.5ミリほど大きかったので、針の内径に細工を試みたら、見事に針は壊れてしまいました
また、今と同じ長さ・タイプの針はなかなか見つかりません
一番長い針が前面カバー等に当たらない範囲までで、現状に近い寸法・タイプの製品を探すと良いでしょう
また発想を転換して違うタイプを選び、自分だけのオリジナルを作るのも素晴らしい選択です
選んだムーブメントと針を注文しよう
ムーブメントと針は同じ店で注文した方が、失敗を回避でき安全ですここまで出来れば、交換作業の80%は完了です
なぜならムーブメント交換で一番難しいのは、壊れた時計に合うムーブメントと針を購入する事だからです
「掛け時計は自分で修理しよう - 後編 -」では交換品の取付けから完成までをお伝えします